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ホッケ/𩸽
スズキ目カジカ亜目アイナメ科ホッケ属

Okhotsk atka mackerel
学名:Pleurogrammus azonus
 

 ホッケの旬は年2回。春はエサを求めて、秋には産卵のため、それぞれ沿岸に近づく。そのため北海道では5〜7月と11月が漁の最盛期となる。また、漁獲される地域によっても異なり、積丹では4〜5月、礼文では7〜8月、羅臼では10〜11月、日高では11〜12月が旬となる。

ホッケは、主に「真ホッケ」と「縞ホッケ」の2種類がある。「真ホッケ」は国内で漁獲されるホッケの呼び名で、そのほとんどは北海道で水揚げされている。「縞ホッケ」はその名の通りシマ模様が特徴で、ベーリング海やオホーツク海など極寒の北太平洋に生息する種類のホッケ。国内での水揚げは極めて少なく、ロシアやアメリカ産などの輸入物がほとんど。オホーツク海で獲られる縞ホッケは秋に脂がのるようだ。

ホッケの体は細長い紡錘形で、尾ビレは深く二股に分かれる。背ビレは途中で深くくびれない。最大で体長50cm前後に達することもある。早いものでは体長25cm前後で親になる。体色は、稚魚期から若魚期にかけてはコバルト色。未成魚期から成魚期にかけて背部が茶褐色から黄褐色のまだら模様。腹部は黄白色。雄は産卵期になると白っぽく変色し、頭頂部と尾ビレの先端に暗色の婚姻斑が現れる。縄張りを持つオスがメスに求愛運動をし、岩礁域の窪みなど潮通しのよい場所に産卵させ、産卵後はオスが卵を保護する。成魚は定着性が強いが、稚魚期には産卵場所の沿岸浅い海域にいて、しだいに沖合に移動する。また大型になると大陸棚付近に定着する。

ホッケは呼び名が変わる出世魚。0歳の冬から夏にかけての体長4〜16cm頃は表層で生活し、日本海で北海道とロシアとの間に生息する。6月に北方海域に移動するときにその体色からアオボッケと呼ばれる。その後、夏から冬にかけて体長18〜22cmになり、100m前後の大陸棚上で群れを形成する、これをロウソクボッケ。翌1歳の3月から6月頃に沿岸に接岸し、盛んにエサをとるものをハルボッケという。本来ホッケは回遊魚で、群れになって海を周期的に移動する。しかし稀に、近海の岩礁周辺に根付いて生息する真ホッケがおり、これが「根ホッケ」と呼ばれる。生育後も豊富なエサ場に住みついた大きな根ホッケは体長60cm、体重2kg以上となり、丸々と太り脂がよくのった極上の美味しさ。北海道でも礼文・羅臼・日高で獲れるホッケは「3大ホッケ」と呼ばれている。特に知床の大自然の海で育った「羅臼ホッケ」のなかでも脂を全身に行きわたらせ、腹が赤く変わったものは「赤腹ホッケ」と呼ばれ、最高級の味わいと評判。礼文島の「礼𩸽」、恵山の「海峡根ホッケ バキバキ」もブランドホッケとして名高い。また、2024年6月に白老町で道内初となるホッケ養殖の実証実験が行われて話題となった。ホッケは漢字で「𩸽」と書く。魚へんに「花」の漢字が当てられたのは幼魚の体色が美しい青緑色で、群れで泳ぐと花のように見えることから。ホッケの語源は、蝦夷地開拓時代に法華経(ほけきょう)を説いた僧侶が、ホッケの旨さを広げたことに由来するという説がある。

美味しいホッケの見分け方は、身がしまって弾力があり肉厚なもの、腹(内臓)が膨らんだり、やわらかくなっていないもの。身が白く透明感があり、脂がのっているもの。鮮度が落ちやすいので、なるべくしっかりと硬いものを選ぶとよい。

ホッケにはたんぱく質が豊富に含まれている。たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚、毛髪などを構成する重要な成分。代謝を良くし、免疫効果もあり、非常に重要な栄養素。また、カルシウムの含有量は身だけを食べる魚の中ではトップクラス。神経を安定させる作用もあるため、ストレスの多い生活をしている人は積極的に摂りたい成分だ。さらに、エネルギーの代謝を高め、疲労を回復させる働きがあるビタミンB、免疫力を高めて感染症を予防する働きがあるビタミンDが豊富。

料理は焼魚が主流。開き干しにしたホッケを香ばしく焼き上げると、肉厚な身はプリプリし、ジューシーな脂の旨みが感じられ、皮まで美味しく味わえる。特に炭焼きが人気で炉端焼きを代表するメニューだ。刺身はアニサキスの危険があるので1度冷凍する必要がある。煮付けやフライは北海道の家庭料理としておなじみで、程よい水分があるので硬くなりにくく、ふんわりと仕上がる。つみれ汁は淡泊でくせがなく、上質で味わい深い。ちゃんちゃん焼きは野菜やキノコと一緒に鉄板で焼き、バターや味噌で味付けする北海道の名物料理。そのほか、ぬか漬けやすり身などの加工品も人気が高い。
 

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