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サクラマス/桜鱒
サケ科サケ属

Cherry salmon
学名:Oncorhynchus masou masou
 

桜の咲くころにやってくるサクラマス。北海道では桜前線の北上に重なりながら、4月に入り、旬を迎えることになる。産卵期が近づくと身が桜色、いわゆるサーモンピンクになる。これが名前の由来になった。魚体は銀色に輝き、ウロコは小さく、骨が軟らかい、熱を通しても身がふっくらと硬くならないのが特長だ。海に下る前のサクラマスの幼魚と、河川で一生を過ごすものを北海道ではヤマべと呼ぶ。

北海道の南西部、日本海沿岸での刺し網漁が盛ん。養殖は行われておらず、稚魚が放流される。漁獲高は全国で年間1000トンあまり、1920年代のおよそ10分の1まで減少しており、サケ類ではもっとも漁獲量が少ない。値段は高値安定で取引され、キロあたり2000円を下回ることはない。大きいほど値が上がり、特に体高のあるものは「板マス」と呼ばれ、とても高価。いま道南や道北ではサクラマス釣りが人気だ。本州で海岸からサクラマスが釣れることはまずない。

稚魚は上流域から中流域に広く分散し、淡水で1年間過ごし、翌春1歳となって降海する。翌年2歳の初夏にまた河川に戻り遡上。3〜4ヵ月過ごした後、秋に産卵する。産卵後は死んでしまう。寿命は3年弱。  長らく河川遡上後はエサを食べないとされてきたが、近年は遡上後もエサを食べると判明した。河川では河畔林からの落下昆虫や流下する水生昆虫を主食とするが、底性生物やプランクトンもエサとしている。海洋では、顕著な魚食性を示しイカナゴやイワシなどの小魚やプランクトンを捕食する。

脂がのった味の良さはまさに別格。評価は鮭児、トキシラズと肩を並べるほどだ。かの魯山人も 「鮭と鱒とは、素人目には一見似たようなものではあるが、味からいえば鮭よりも鱒の方がはるかに優る」と評している(参考文献「春夏秋冬 料理王国」著:北大路魯山人)。  サクラマスは栄養価が非常に高く、カロリーは極めて低い。良質なたんぱく質が豊富でビタミンB、そして魚介類にはめずらしいビタミンAを含有。青魚によくあるDHAやEPAも含まれ、最近では免疫力アップの健康食として注目が集まっている。  また、アニサキス系の寄生虫がいるため、生食には注意が必要でマイナス20度以下、24時間以上の冷凍が効果的な対策になる。

春の祭りに欠かせないごちそうとして親しまれているサクラマス料理。なんといっても「塩焼き」が絶品だ。焼くと脂がほとばしり豊かな香りが食欲をかき立てる。やや厚みのある皮をカリッとしっかりと焼くことで独特の風味がでる。「ルイベ」は凍らせた身を刺身のように味わう北海道の郷土料理。繊細で上質の旨さを堪能できる。また、「ムニエル」は塩コショウをして多めの油でソテー。バターとしょう油で味付けし、表面はカリッと香ばしく、中はしっとりと仕上げ、最後にレモンを絞る。甘みと独特の風味がありとても美味。  寿司ネタとしても使用されており、北海道のサクラマスは富山県へ出荷され、有名な「ます寿司」になっている。
 

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