すすきの通信のロゴ
すすきの飲食店クーポン情報サイト
お気に入りのロゴ
お気に入り

タイトル

ボタンエビ/牡丹海老
タラバエビ科タラバエビ属

Botan Prawn
学名:Pandalus hypsinotus
 

市場には、ほぼ1年を通して入荷があるボタンエビだが北海道では3月から漁が解禁になり、ちょうど春先の4月ごろに最盛期を迎える。これが「春ボタンエビ」漁。この季節には透明感のある朱色の躯体に白い斑点がハッキリ浮きでてくるのが特徴で、適度な食感と程よい甘味で特に人気がある。また、9月初旬から11月にかけては「子持ちボタンエビ」が水揚げされ、朱色にエメラルドグリーンの卵がキレイに映えて、こちらも美味とされる。

寒冷な海域のやや深海に生息し体長は20cmを優に超え、タラバエビ科のなかでは大型。呼び名となったボタンエビとは、大きくて華やかなのがボタンの花を連想させるため。

流通しているボタンエビの正式な名称は「トヤマエビ」という。市場や小売店、飲食店では「ボタンエビ」として取り扱われることがほとんどで、本来の正式名称がボタンエビとされるものは別にいてトヤマエビと区別するために、本当のボタンエビを「本ボタンエビ」と表記。これまでも農水省の審議会などで何度か取り上げられたが流通業者の強い要望で、一般的な通称名である「ボタンエビ」で表記しても良いとガイドラインで認められた。

日本海からオホーツク海、ベーリング海までの北太平洋に広く分布。道内では噴火湾や日高・えりもを中心に知床羅臼のオホーツク海、留萌・後志沖の日本海の水深100〜300mの海底で、主にエビカゴ漁や底びき網により、他のエビや魚とともに水揚げされる。

額角は前部が上にそり、頭胸甲長の約1.5倍。甲の背隆起が強く、上縁に15〜21本、下縁に6〜8本の棘がある。体躯は淡紅色で、頭胸甲側面には不規則な斑紋、腹側に赤褐色の横じまがある。4歳頃までは雄で、4歳半で性転換をして雌に変わり、5歳で1回目の産卵をする。1年間抱卵を続けた後、卵を孵化させて幼生を放つ。その後1年は抱卵せず、満7歳で2回目の産卵をし、1年間の抱卵後、孵化させ、8歳で寿命が尽きる。

ボタンエビのプリッと弾力のある食感、噛むと口の中に広がる濃厚な甘みは、1度食べたことのある人なら忘れられない独特のもの。生で食べるのが最も美味しく、頭には濃厚なミソが詰まっており、そのまま吸い付ても、醤油に溶いても美味。素材の味を堪能するならまず刺身だ。活きたまま食べる踊り食いもある。北海道では寿司ネタとしても特に人気で、甘みが強いボタンエビは寿司にするとさらに味が締まる。頭付きで提供される寿司は見た目のインパクトも大きい。塩焼きは、焼くと身が引き締まり歯ごたえが出る。噛めば噛むほど旨みが染み出す。また、頭を付けたまま味噌汁に入れると濃厚なミソが染み出してコクのある出汁となる。ホッと落ち着く味だ。ほかにパエリアやアヒージョといったスペイン料理、スパイスを効かせた唐揚げなどのアジアンフードの食材にも利用されている。

健康にも良く、タウリンを多く含み、脳卒中、高血圧、疲労回復に有効。茹でると赤くなる色素成分アスタキサンチンは強い抗酸化力で発がんを抑制、血液をサラサラにしてくれる。
 

PAGE TOP