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サンマ/秋刀魚
ダツ目サンマ科サンマ属

Pacific Saury
学名:Cololabis saira
 

秋の味覚の代名詞サンマ。2024年8月、根室・花咲港の初水揚げでは2023年の約140倍の67トン、価格は200分の1となり、豊漁が話題になった。10月には道東海域と北方四島周辺海域、それに隣接する公海に魚群が来遊するため、漁況はさらに上向くものとみられている。長引く不漁により今ではすっかり高級魚なったサンマ。水産関係者や消費者は水揚げの回復によって、「庶民の味」の復活に期待が集まっている。

サンマ漁は棒受網という集魚灯を使った漁法が主流で、その歴史は1940年代に遡る。 サンマが光に集まる習性を利用し、「火」を使った棒受網は撒き餌も使わず漁具の操作が簡単で、魚体を傷つけないという利点があり、戦後の食糧・資材不足という背景の中、急速に発展・普及した。現在では年間を通して漁が行われるようなり、最盛期となるのは9月〜10月。この時期が1番脂がのっており、サイズは大きいもので40cm、160gを優に超え高値で取引される。国内で獲れる半数以上が北海道で水揚げされており、次いで宮城県や岩手県など太平洋沿岸が主。道東沖で獲れるまるまる太ったサンマは「トロサンマ」とも呼ばれ、脂のりが抜群で身も厚く、ほかとはひと味違うようだ。北海道ではブランド化され、釧路の「青刀サンマ」や厚岸の「大黒サンマ」のほか「一本立ち歯舞サンマ」などが知られる。サンマはオホーツク海から北太平洋、日本海、東シナ海に及ぶ広い海域を回遊する魚で、回遊パターンによっていくつかの系統に分類される。日本近海では太平洋沿岸、日本海沿岸ともに南の暖かい海域で孵化した稚魚が成長しながら北上し、秋には産卵に向けて南下する。海面近くの表層に大きな群れをつくり、アミエビなどの小さな甲殻類やプランクトンなどを捕食し生息している。胃はなく、短い腸で短時間で消化し排泄する。サンマの塩焼きではらわたごと食べれるのもこれが理由のひとつ。ダツ目サンマ科に属し、親戚にはサヨリやトビウオがいる。青い背と銀色の腹は藍色の海に溶け、銀色に輝く海面と同一になるという浮魚類特有の配色だ。下あごの先が黄色く、背びれと尻びれが後方部につき、尾びれとの間に多くの小離鰭(しょうりき)と呼ばれる三日月形の小さな突起があるのが特長だ。1年で成熟し数回産卵したあとに息絶える、寿命は2年ほど。名前の由来には諸説あり、細長い魚という意味の「サマナ(狭真魚)」が訛ったものとする説や、大きな群れを成す魚という意味の「サワンマ(沢魚)」が起源とする説などがある。現在では「秋刀魚」という表記が定着しており、これは秋に獲れる銀色に光る刀のような魚という意味がある。日本人がサンマを食べ出したのは江戸初期。目黒で食べたサンマの味を忘れられない殿様が、魚河岸から取り寄せて食べてみるものの、油を抜いて調理してあり味気なかったので、「サンマは目黒に限る」といったという落語の「目黒のサンマ」は広く知られる。鮮度のよいサンマの見分け方としてよく耳にするのが「口先がほんのり黄色い」こと。硬く銀色に輝き、エラは鮮やかな紅色でキレイな澄んだ目をしているものが新鮮だ。サンマには特に血液の流れを良くするといわれる成分が含まれており、脳梗塞や心筋梗塞などを予防するのに効果的。DHAやEPAは悪玉コレステロールを減らす作用がある。注目すべきは良質なタンパク質。ほかにもビタミンやカルシウム、鉄分なども含まれる。精神を安定させたり、貧血を予防したりするビタミンB2の含有量はほかの魚の3倍以上。眼精疲労やガン予防にもなるビタミンAも豊富だ。

旬のサンマは塩焼きが定番。炭火でパリパリに焼いた黄金色の皮目、芳ばしい香りとジューシーな脂に包まれた身はふっくらやわらか。はらわたもえぐみがなく美味しく食べられる。ジュワッと口の中で広がっていくサンマ特有の旨みは、白いごはんにもお酒にもよく合う。また、特に鮮度のよいサンマなら刺身や握り寿司も旨い。ほかにもサンマの煮付けや、かば焼き丼なども美味。
 

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