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ホタテ/帆立
ウグイスガイ目イタヤガイ科

Scallop
学名:Mizuhopecten yessoensis
 

北海道のホタテは冬と夏が旬といわれている。産卵時期は春ごろで、夏を過ぎてから生殖層が徐々に発達していく。そのため、12〜3月頃の冬のホタテは産卵に備えて肥大化し、卵や白子が大きく育っているのが特徴。また、夏は貝柱が大きく成長し、風味豊かな味わいが楽しめるもうひとつの旬の時期となる。

殻径が20cmほどになる大きな二枚貝で、貝殻はふくらみが強い殻と弱い殻とが合わさっており、ふくらみが強い方が右殻。水管や砂に潜るための器官は発達せず、砂底で右殻を下にして生息する。ヒモと呼ばれる貝柱の周囲をぐるりと囲んだびらびらした部分に小さな黒い斑点がある。この斑点が実はホタテの目。その数はおよそ60〜120個といわれ、明るさを感じることができるという。ほとんどの部分が食用として美味しく楽しめるが、「ウロ」と呼ばれる中腸腺(丸くて黒い部分)のみ食べることができない。

ホタテの語源は、「和漢三才会」(1716年)に「口を開きて一の殻は舟のごとく、一の殻は帆のごとくにし、風にのって走る」という記載があり、帆船のように風を受けて海中を移動するという俗説に由来している。

能登半島以北の日本海沿岸、千葉県以北の太平洋沿岸、千島列島などに生息。主な産地は北海道だ。特に天然のホタテは北海道が漁獲量の大半を占める。北海道の漁獲量は、2022年で42万トン(農林水産省調べ)を超え、全国で第1位。これは北海道の漁業生産量の約30%にあたる。

産地はオホーツク沿岸、根室、函館、噴火湾などがあげられる。特に宗谷のオホーツク沿岸に位置する猿払村は、1日約450トンの水揚げ量を誇るホタテの一大生産地。同村は道内179市町村の中で平均年収1位、ホタテ御殿の街並みとして知られている。

北海道のホタテ漁は大きく分けて地撒き式と垂下式の2つがある。地撒き式は、オホーツク海や根室海峡で行われている方法。生れて1年育てた稚貝を海に放流し、海底で2〜4年間ゆっくり成長させてから漁獲する。垂下式は噴火湾や日本海側で行われ、稚貝をロープまたは、かごに入れて海中に吊るし、1〜2年で漁獲する。

国内で生産される魚介類で世界から人気を集めているのがホタテ。 2022年のホタテの輸出額は約910億円(農林水産省調べ)で過去最高となった。しかしながら、2023年に中国が日本の水産物の輸入を全面的に停止、ホタテの輸出も大きな打撃となった。これを受けて日本政府はホタテの輸出に対し国・地域別に新たな目標を設定。韓国、タイ、ベトナム、EUなどへの輸出拡大を図っている。また、2024年1月には北海道産のホタテのPRイベントをブラジルで開催、さらにインド、メキシコなどへの販路を促進する方針だ。道内でも消費拡大につなげようと「食べて応援!北海道」キャンペーンを展開するなどさまざまな取り組みが行われている。

ホタテは低カロリーで高たんぱく質なヘルシー食材としても知られている。栄養価も豊富で、なかでも注目はビタミンB1とタウリンの含有量の多さ。ビタミンB1は疲労回復効果が期待でき、タウリンは消化管内でコレステロールの吸収を抑える働きをしてくれるほか、心臓や肝臓の機能向上、視力の回復、高血圧の予防などに効果的だ。ほかにもビタミンB12、亜鉛、アミノ酸、鉄分などが含まれている。

厳寒の北海道で育まれた肉厚のホタテはプリプリの食感と濃厚な甘みが楽しめる。生で味わうなら刺身が1番。寿司ネタとしても人気が高い。殻つきのまま炙り、醤油とバターで味付けするホタテ焼きも美味しい。フライやバター焼きもオススメだ。また、よくダシが出るので、炊き込みご飯や寒い時期にピッタリな鍋料理にも最適。冬場はホタテの白子も美味。あっさりと淡白な味わいが特徴でクセも少なく、煮物などに適しており、鮮度がよいものは生食ができる。また、グルタミン酸、イノシン酸、グリシンといったさまざまな旨み成分があり、焼き、ボイル、干し、スモークなどの調理法で和洋中どんな料理にもよく合う万能な貝として世界各国で愛されている。
 

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