メロン
melon学名:Cucumis melo L.
2023年5月末、札幌中央卸売市場で行われた夕張メロンの初競りが2玉350万円で競り落とされて話題になった。メロンは「フルーツの王様」といわれ、極上の糖度、湧き出てくるような果汁で、贈答品としても人気が高い。
北海道は7月に出荷のピークを迎える。ブランドや品種によって旬の時期は多少異なるが、8月いっぱいまでさまざまな品種のメロンが市場に出回る。今年は春から天候に恵まれ、寒暖差もあることから例年よりも甘みが増し、香りの強さと果肉の柔らかさのバランスがとてもよいという。
メロンは果実を食用にするウリ科の一年生草本植物。起源はインドが原産。それまでは北アフリカや中近東地方が原産地と推定されていたが、2010年に研究者によってあらたな説が発表された。インドから中近東を経てヨーロッパに渡った西洋系品種と、中国で広まった東洋系品種があり、現在メロンとよばれる果実は、甘みや香りが強い西洋系メロンが主流で、やや甘みや香りが少ない東洋系メロンはウリとよばれている。果皮は緑色や黄色、白色などがあり、無地のほかネットメロンとよばれる網目模様のものや、縦縞模様があるメロンもある。
日本はマスクメロン栽培のパイオニアといわれている。一方で栽培難度が高いマスクメロンと外見や味が近く、かつ生産が容易なネットメロンの品種開発も進み、近年ではアンデスメロンやクインシーメロンといった低価格で味も優れた品種が広く知れ渡るようになった。
北海道は主に代表産地として道央、道南、道北、道東の4つのエリアに分けられる。道央エリアは夕張市。いわずと知れた北海道メロンの代表格「夕張メロン」が有名だ。正式な品種名は「夕張キング」といい、「夕張メロン」は商標名となる。果皮にはキレイな網目模様が入り、赤に近い鮮やかなオレンジ色の果肉。1番の魅力は濃厚な甘みと芳醇な香り。夕張市で栽培したメロン以外は夕張メロンと名乗ることはできない。
道北は富良野市。赤肉の「キングルビー」や「ルピアレッド」、「R113」、青肉の「キングメルティー」などさまざまな品種が栽培されており、それらをまとめて「ふらのメロン」という。
道南で有名なのは、「らいでんメロン」、産地は積丹半島の西側の付け根にある共和町だ。「らいでんルピアレッド」、「らいでんレッドティアラ」、「らいでんクラウン」などが挙げられる。
そして、道東を代表する産地は、近年注目を浴びる帯広・十勝エリアとなっている。気温差と日照時間の長さがある気候を活かし、糖度を15度前後にこだわって栽培。その中でも特に高糖度なのが「青空®メロン十勝雪どけの女王」。収穫期が短い貴重な品種だ。
収穫時はヘタ(つる)がピンとしっかり立っており、追熟が進むとヘタがしおれて先端が枯れてくる。メロンの下部を軽く押して弾力が出てきたら成熟しているサイン。成熟するまで常温で保存し、食べごろになってから冷蔵庫で冷やしておくと、より一層美味しく味わえる。
とろけるような食感と口の中に広がる芳醇な甘みは特別な味わい。濃厚な甘さから太りやすいと思われがちだが、水分量が多いので、実は比較的低カロリーとされる。高血圧の予防やむくみの改善につながるカリウムなどの栄養素や、整腸作用をもつペクチンなどの食物繊維も豊富に含まれている。
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