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 ジンギスカン特集

What’s ジンギスカン

羊料理といえば「ジンギスカン」が代表格。
北海道には数多くの専門店があり、ススキノにも名店が軒を連ねている

ジンギスカンのルーツ

北海道の郷土料理「ジンギスカン」。道民のソウルフードといっても過言ではない。厳格な定義があるわけではないが、基本的には専用のジンギスカン鍋を用いて羊肉を焼いて食べる料理。味付けなどをして羊肉を美味しく食べる工夫が凝らされ、北海道で広く発達した。観光の魅力のひとつであるとともに、花見やキャンプなどでも親しまれ、2004年北海道文化遺産に登録されている。

起源については、「かつてモンゴル帝国を率いたジンギスカン(チンギスハーン)が遠征の陣中で兵士のためにつくらせた」と俗説があるがモンゴルの料理とはかけ離れている。実際には中国にあるといわれ、戦前大日本帝国陸軍の旧満州(現中国東北部)への進出などを機に、烤羊肉(カオヤンロウ)という羊料理から発想を得たものが日本人向けにアレンジされ、現在のような形式になったとみられる。

ジンギスカンが北海道の郷土料理として広がりをみせるのは、昭和20年代後半になる。1953年(昭和28)、札幌の月寒に「成吉思汗倶楽部」(現ツキサップじんぎすかんクラブ)が発足し、ジンギスカンを味わえる飲食店が増えていった。滝川の「松尾ジンギスカン」や長沼の「かねひろ成吉思汗」などもこのころに生まれたことで大衆化が進む。昭和30年代の北海道は、高度経済成長期へと進み始める時代だが、肉類などの食品は決して豊富ではなく、他の肉類に比べ安く、手軽に入手できる羊肉を使ったジンギスカンが受け入れられる土壌だった。1956年(昭和31)にはベル食品が「成吉思汗たれ」を発売する。ジンギスカンの知名度は広がっていたものの、家庭料理としては認知されていなかったが「成吉思汗たれ」の登場で、より身近な料理へと発展することとなる。

また、このころは飼育2年以上の「マトン」が多く流通されており、生後1年未満の「ラム」に比べ、羊肉独特のくさみが強かった。そのため食べ慣れない人には、くさみを敬遠し「ジンギスカンは苦手」という人も多い。鮮度がよければこのくさみも少ないが、羊肉の産地から遠い東京などでジンギスカンが定着しなかったのもここに原因があった。

ススキノでジンギスカン専門店がオープンし始めたのは1954年(昭和29年)頃で、しばらくは数軒程度しかなかった。当時の価格は1人前35円で、ラーメンも35円だった。現在はジンギスカン専門店が多数あり、1人前1,000円〜1,500円位、食べ放題の店も多い。使用している羊肉の産地は主にオーストラリアとニュージーランド、わずかにアイスランド。それぞれに違いはあるが、くさみが少なくクセのない味わいが人気となっている。北海道産のものでは士別町のサフォーク種の生ラム肉や、美唄市の「アスパラひつじ」を扱っている店もある。タレの材料や配合は店によりさまざまだが、擦りおろしたリンゴとタマネギをベースに、ニンニク、ショウガ、酒、酢、正油、ハチミツなどを混ぜ合わせ煮立たせてつくるのが一般的だ。

代表的な2つのタイプ

広く道民に愛されているからこそ、1人ひとり、地域ごとのこだわりや思い入れも強いジンギスカン。主にタレに浸してから焼いて食べる漬け込みジンギスカンと、羊肉を焼いてからタレにつけて食べる後付けジンギスカンの2つに分類される。北海道では滝川などの空知地方や旭川などの上川地域といった道央内陸部では「味付け」、札幌のほか小樽や室蘭などでは「生肉」が主流だ。使用する羊肉は、調味液漬け込み肉の「味付け肉」、冷蔵(チルド)肉の「生肉」、冷凍肉の「ロール肉」などがある。北海道産の生ラムは高級肉として人気が高い。

調理には専用の鍋であるジンギスカン鍋が用いられる。鍋は主に鉄製で、中央部分が兜のように盛り上がった独特の形状をしており、その表面には溝が刻まれている。これは盛り上がった中央部で羊肉を、低くなった外周部で野菜を焼くことによって、羊肉から染み出した肉汁が溝に沿って下へと流れ落ちて野菜の味付けになる仕組みとなっている。

羊の肉ってヘルシー

羊の飼育は1873年(明治6年)ごろから始まった。北海道では羊肉の普及に向けた取り組みを月寒と滝川で行ったことが記録に残っている。羊料理を食べ始めたのは大正時代に入ってからで、その後北海道で羊の飼育が盛んに行われるようになる。

羊の肉は美容に優れている。鉄分が多く、脂の融点が高いため体に吸収されづらく、低カロリーなので、若い女性にも人気がある。また、免疫力をアップさせるリシン、アレルギーを和らげるメチオニン、食欲を抑えてくれるフェニルアラニンなどの必須アミノ酸が多く、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンEも豊富で肌に良く美容効果も期待できる。L-カルニチンも多く含まれているので、脂肪燃焼が促進されることも期待できる。また、不飽和脂肪酸も含有されていて、動脈硬化や血栓予防、血圧を下げる、悪玉コレステロールを減らす作用がある。羊肉にはもう1つの注目すべき利点がある。それは「体の温め効果」。免疫力や代謝が落ちるのを防ぎ、体を冷やさず温めることは病気から身体を守る大切なポイントだ。

代表的なタイプがこれ

  • 味付けタイプ

    肉をしっかりタレに漬け込んでから焼くという味付け派は滝川周辺で広まったといわれるだけに、内陸部の地域では一般的。滝川の「松尾ジンギスカン」や長沼の「かねひろ」、南幌の「なんぽろジンギスカン」が有名。〆は羊肉の旨みが溶け込んだタレの中で煮詰まりながら焼き上がるうどんが美味。

  • タレ後付けタイプ

    生の羊肉を焼き、別に添えられているタレを付けて味わうタイプ。道内の沿岸部や札幌周辺では主流。専門店では自家製のタレが美味しさの決め手となる。塩で食べさせてくれるところもある。〆は付けタレの中に番茶を注ぎ、その中に別茹でしたラーメンを入れて食べるのがオススメ。

鍋のちがい

  • 穴なしタイプ

    このタイプはガスコンロを使用する。中央部分が兜のように盛り上がった独特の形状をしていて家庭ではこの鍋で味付けジンギスカンを食べるのがポピュラー。常備している家も多い。

  • 穴あきタイプ

    鉄製の鍋にスリットと呼ばれる裂け目状の穴があいているものは七輪にのせる炭焼き用。遠赤外線の効果で肉がじっくりふんわりと焼けることと、程よく脂が落ちるのが特徴だ。

肉のちがい

  • マトンって?

    生後2年以上から7年程度まで成長した羊の肉で、独特の牧草のような香りが強いのが特徴。肉質はかためで引き締まっており、見た目は赤みが強い。鮮度がよければくさみがなく、とても味が深い。

  • ラムって?

    生後1年未満の仔羊のこと。くさみが少なく、食べても独特のクセがそれほど感じられないのが特徴。若い肉なので肉質も柔らかい。とてもポピュラーな羊肉で、ロース、肩ロース、リブロース、ヒレなどどの部位も人気。

  • ホゲットって?

    ラムとマトンの中間、生後1年以上2年未満の羊肉のこと。ラムはクセが少ないが淡白、マトンはクセが強すぎる、その中間でちょうどよいという人もいる。流通量が非常に少ないが、最近ススキノで味わえる店も増えてきた。

 
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