北海道の地酒
地酒はその土地の気候や風土、流れる水、造る米によって大きく味わいを変える。 地元で愛される酒はその土地の名産と相性がよいことを覚えておこう。
碓氷勝三郎商店
銘柄:北の勝
吟醸酒、純米酒、本醸造酒をいい、原料、製造方法などの違いによって吟醸酒、大吟醸酒、純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒、特別純米酒、本醸造酒、特別本醸造酒の8種類に分類される。
原 酒製成後、水を加えてアルコール分などを調整しない清酒。
生 酒製成後、一切加熱処理をしない清酒。
生貯蔵酒製成後、加熱処理をしないで貯蔵し、出荷の際に加熱処理した清酒。
樽 酒木製の樽で貯蔵し、木香のついた清酒。
生 一 本ひとつの製造場だけで醸造した純米酒。
吟味して醸造することをいい、伝統的に、よりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、かすの割合を高くして、特有な芳香(吟香)を有するように醸造することをいう。
でんぷん質や糖質から醸造されたアルコール。もろみにアルコールを適量添加すると、香りが高くスッキリした味になる。さらに、アルコールの添加には、清酒の香味を劣化させる乳酸菌(火落菌)の増殖を防止するという効果もある。吟醸酒や本醸造酒に使用できる醸造アルコールの量は、白米の重量の10%以下に制限されている。
白米のその玄米に対する重量の割合。精米歩合60%というときには、玄米の表層部を40%削り取る。米の胚芽や表層部には、たんぱく質、脂肪、灰分、ビタミンなどが多く含まれ、これらの成分は、清酒の製造に必要な成分だが、多過ぎると清酒の香りや味を悪くしてしまうので、米を清酒の原料として使うときは、精米によってこれらの成分を少なくした白米を使う。ちなみに、一般家庭で食べている米は、精米歩合92%程度の白米(玄米の表層部を8%程度削り取る)だが、清酒の原料とする米は、精米歩合75%以下の白米が多く用いられている。
米こうじ(白米にこうじ菌を繁殖させたもので、白米のでんぷんを糖化させることができるもの)の製造に使用する白米。清酒は、こうじ米の使用割合(白米の重量に対するこうじ米の重量の割合)が、15%以上のものに限られている。
日本酒造りに欠かせないのはなんといっても米。道産米は飛躍的な進化でブランドとしての地位を確立した主食用米とともに、酒造好適米もまたここへ来てめきめき頭角を現してきている。北海道で誕生した酒米は、いまや地元はもちろん全国の蔵元からも熱い注目を浴びる存在へと飛躍した。
吟風(ぎんぷう)酒造りに重要な「心白(しんぱく)」が大きくしっかりした品種。芳醇な酒が期待できる。道産米を原料とした酒造りが広がるきっかけとなった。
彗星(すいせい)良質な酒米であることを示すタンパク含有量の低さが特徴。淡麗な味わいの酒が醸される。品質を決める指標のひとつである「千粒重」が重く大粒、収量性が高い。
きたしずく心白発現がよく、千粒重は重く多収。雑味が少なく、柔らかな味の酒ができ上がる。耐冷性が高く、安定した生産が可能だ。
北海道の地酒は総じて端麗辛口といわれる。近ごろは濃厚で芳醇なものも見受けられるが淡麗で麗しい味を追求してきたことから、すっきりした飲みやすさで美味しいと評価されている。空気がキレイで四季の移り変わりがはっきりしていることなど、酒造りで求められる気候風土をしっかりと満たしている。また美味しい酒造りは、よい米造りからはじまるといわれている。いまや北海道は日本一の収穫量を誇る米どころ。質の向上はさることながら、酒造好適米も吟風、彗星、きたしずくといった優良な原料米が生産されている。条件的に酒造りに最も適した土地は北海道であろう。
特定名称 | 使用原料 | 精米歩合 | こうじ米使用割合 | 香味等の要件 |
---|---|---|---|---|
吟醸酒 | 米、米こうじ 醸造アルコール |
60%以下 | 15%以上 | 吟醸造り、固有の香味、 色沢が良好 |
大吟醸酒 | 米、米こうじ 醸造アルコール |
50%以下 | 15%以上 | 吟醸造り、固有の香味、 色沢が良好 |
純米酒 | 米、米こうじ | ー | 15%以上 | 香味、色沢が良好 |
純米吟醸酒 | 米、米こうじ | 60%以下 | 15%以上 | 吟醸造り、固有の香味、 色沢が良好 |
純米大吟醸酒 | 米、米こうじ | 50%以下 | 15%以上 | 吟醸造り、固有の香味、 色沢が良好 |
特別純米酒 | 米、米こうじ | 60%以下又は特別な 製造方法(要説明表示) |
15%以上 | 香味、色沢が特に良好 |
本醸造酒 | 米、米こうじ 醸造アルコール |
70%以下 | 15%以上 | 香味、色沢が良好 |
特別本醸造酒 | 米、米こうじ 醸造アルコール |
60%以下又は特別な 製造方法(要説明表示) |
15%以上 | 香味、色沢が特に良好 |