今月の食材

HOME   >  旬食材図鑑

旬食材図鑑

サクラマス/桜鱒
サケ目サケ科

Pink salmon
学名:Oncorhynchus masou
 

桜の咲くころにやってくるサクラマス。北海道では桜前線の北上に重なりながら、5月に入り旬を迎えることになる。産卵期が近づくと身が桜色、いわゆるサーモンピンクになる。これが名前の由来になった。魚体は銀色に輝き、ウロコは小さく、骨は軟らかく、熱を通しても身がふっくらと硬くならないのが特長だ。海に下る前のサクラマスの幼魚と、河川で一生を過ごすものを北海道ではヤマベと呼ぶ。 

北太平洋を中心に分布し、オホーツク海沿岸から日本海、朝鮮半島にまで生息する。いくつかの亜種が存在し、琵琶湖のビワマス、西日本のサツキマス(アマゴ)、台湾のタイワンマスなどがいる。

北海道の南西部、日本海沿岸での刺し網漁が盛ん。養殖は行われておらず、稚魚が放流される。漁獲高は全国で年間1000トンあまり、1920年代のおよそ10分の1まで減少。値段は高値安定で取引され、キロあたり2000円を下回ることはない。大きいほど値が上がり、特に体高のあるものは「板マス」と呼ばれ、とても高価。

今年は新型コロナウイルスの感染拡大で需要が落ち込んでいることが影響し、競り値も例年より安くなるのが見込まれている。漁業者はたいへんだが、消費者には手に取りやすい価格となりそうだ。

現在この季節、道南や道北ではサクラマス釣りが人気。なかでも後志エリアの島牧村は聖地としてしられる。フィッシングのターゲットとして広く、認知されたのは2000年代になってからと比較的最近ながら、いまでは平日でもメジャーなフィールドにはアングラー(釣り人)がいっぱいだ。道内で1番人気のある釣りとされるのは秋のサケ釣りだが、海岸でサクラマスをねらういわゆる「海サクラ」は、それと肩を並べるほどになった。本州で海岸からサクラマスが釣れることはまずない。

 

今季はすでに全国で異変がささやかれているなか、北海道の釣果はどうなるかが注目されている。

脂がのった味の良さはまさに別格。評価は鮭児、トキシラズと肩を並べるほどだ。栄養価が非常に高く、カロリーは極めて低い。良質なたんぱく質が豊富でビタミンB、魚介類にはめずらしいビタミンAを含有。青魚によくあるDHAやEPAも含まれ、最近では免疫力アップの健康食として注目が集まっている。アニサキス系の寄生虫がいるため、生食には注意が必要でマイナス20度以下、48時間以上の冷凍が効果的な対策になる。

春の祭りに欠かせないごちそうとして親しまれているサクラマスの塩焼き。これがなんといっても絶品だ。焼くと脂がほとばしり豊かな香りが食欲をかき立てる。やや厚みのある皮をカリッとしっかりと焼くことで独特の風味がでる。

「ルイベ」は凍らせた身を刺身のように味わう北海道の郷土料理。繊細で上質の旨さを堪能できる。

寿司にしても絶品で、北海道のサクラマスは富山県へ出荷され、かの有名な「ます寿司」になっている。

フレンチレストランでもよく使われ、低温でしっとりとポワレしたり、サクラのチップで燻製にしたり、春野菜と一緒にタルタル仕立てにしたりとバリエーション豊かに調理される。

 
 
このページのTOPへ